「この子に決めたから〜」
ポケ⚪︎ン？と思うようなことを言いながら夫さんがウッキウキでスマホを見せてきたのは、忘れもしない２０２０年７月末。
コロナ禍の始まりで、みんながまだまだ不安になっていた時だ。
差し出された画面には頼りなさげなたれ目が印象的な白い子犬。
可愛い。可愛いけど「決めたから」とは？
そもそも犬を飼いたいという理由で今の一軒家に引っ越してきたから、飼うのはまあいい。
問題は引っ越ししてまだ２、３日しか経ってないということだ。
っていうか、片付けも碌に済んでない上にぽんの意向を全く無視して決めるの？
（犬の部屋にする部屋は完全に後回しの予定だったのに！だったら手伝え！）
一緒に「この子可愛いね〜」「この子にしよっか」とか言いながら迎え入れるんじゃないの？
飼ったら平日の昼間世話するのぽんだよね？
「今日ペットショップのサイト見てたら一目惚れしちゃって」
仕事しろよ…
「栃木のペットショップにいるけど、こっちのペットショップに連れてきてくれて、会えるんだって〜」
ほほぅ…ぽんでさえフォッサマグナを越えたの数回しかないのに、この二頭身の毛玉がこっちまで来るのか
「だから今度の日曜日会いに行って飼うから」
そんな手間掛けさせたら飼わざるを得なくないか？
完全にもう決定してるんだよね。こうと決めたら頑固なB型だもんね。知らんけど。
こうして完全に乗り気の夫さんと、それに振り回されるぽんとでペットショップへ行くのだった。
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