シャワーセンサー

シリカは食べるのが大好きだ。
人間が何か食べていると鼻をふんふん鳴らしながら、自分にもくれとねだってくる。
大好きなおやつを用意していると自分からケージに入ってお座りをして賢く待っている。
おやつのためなら知能が格段に上がるのだ。
そんなシリカがほぼ唯一と言っていいくらいおやつに反応しないのが、シャワーに入れられる時だ。
いつも夫さんがおやつやごはんを用意すると飛び上がって喜ぶのに、なぜかシャワーに入れようとする時におやつを用意しても近付かない。
今日もそうだった。
シリカは軽いアトピーがあるので、毎週アトピー用のシャンプーを使ってシャワーを浴びなければいけない。
それなのに敏感にシャワーの気配を感じて逃げる。
どこかにセンサーがあるとしか思えない。
夫さんから逃げるので、ぽんが捕まえるしかない。
ゆっくり手を近付けて、優しく撫でる。
ここで焦るとぽんからも逃げ回るようになるので慎重に。
「大丈夫だよー。怖かったねー。あいつ（夫さん）悪い奴ですねー」と言いながらしばらく撫でてあげると、足元でお腹を見せて寝転がる。
「抱っこしてこっち渡して」
「合点承知」
夫婦の連携によって無事シリカはお風呂場へ。
これを毎週繰り返すのだ。
センサーが外れる日が来るか、いい加減諦めるかしてほしいものである。