シリカは幸せな夢を見る

シリカと一緒に暮らすようになって知ったことがある。
「犬ってめっちゃ寝るやん」
ついさっきまでおもちゃを噛みながらブンブン振り回して遊んでいたのに、少し静かになったなと思ったら寝ているのである。
さすがにパピーの頃に比べたら起きている時間は長くなっているけど、人間からするとよくそんなに寝ていられるなぁと思う。
今もリビングの床で横向きに寝ている。
その辺の床で寝ているシリカを我が家では「落ちている」と言う。
「そこにシリカ落ちているから気をつけてね」
みたいな感じだ。
ちょうど人の通行の邪魔をするように寝転がっているからこの表現はよく使う。
ちょっとした物音や振動ですぐ起きるくらい眠りが浅いのに、人の邪魔をしている時だけは動かないのは何故なんだろう。
人間は頑張って落ちているシリカの脇を通るしかないのだ。
あと「犬って結構いびきがうるさい」というのも知った。
こんなに小さいのに一体どれだけの肺活量あるの！？と思うくらいうるさい。
人間のいびきに匹敵するんじゃないかなと思っている。
最初は何かの病気かと思ってびっくりした。
そのくらい大きないびきをかきながら、夢の中では走り回っているのか足をピクピクさせるのだ。
心配になるのも無理はないと思う。
ただやっぱり寝顔は本当に可愛い。
親バカ全開で可愛い。
ずっとこのくらいおとなしかったらいいのにと思ってしまうくらい可愛い。
そう思いながら顔を覗き込むと口を少し開けて白目を剥いた顔。
…うーん。やっぱり可愛くはないかな。