シリカの愛はちょうどいい距離感

シリカは人が大好きだ。
人見知りもしないし、散歩の時にすれ違う人にも遊んでーと近づいていく。
可愛がってくれる人には満面のポメスマイルで尻尾をふりふり愛想よく撫でてもらいに行く。
絶対人間だったら「陽キャ」と呼ばれるタイプだろうと陰キャの飼い主は思うのだけど、本当に人間だったらあまり関わることもなく過ごすのだろうと思うと不思議なものだ。
人間同士だと「タイプが違う」という理由でお互いの距離を一定に離すのに、相手が犬だと大切な存在になるのだから。
そんなシリカは当然のように飼い主に対しても大好きな気持ちを全開にしてくる。
毎朝後ろ脚で立ってぴょんぴょん跳びながら「構って〜」と突進してくる。
キョンシーと大差ない。
後ろ脚で立つとシリカの前足はちょうどぽんの太ももの位置になる。
その状態でぴょんぴょんぶつかってくるのだから、めちゃくちゃ痛い可愛い。
起き抜けのぽんには笑顔を作る余裕はないが、しばらく撫でてやる。
「嬉しい、嬉しい、もっともっと〜」
とばかりに飛び跳ねて愛情を示してくる。
人間の場合壊れるほど愛しても3割程度も伝わらないらしいが、シリカの愛は100%伝わってくる。(そしてこの場合壊れるのはぽんの足である)
生き別れた家族との奇跡の再会かよ、と思うほど熱烈に喜ぶシリカと黙々と撫でてやるぽん。
案外ちょうどいい距離感なんてものはなくて、ベクトルの向きだけなのかもしれない。
ベクトルの大きさよりもお互いの方を向いていれば自然と一緒にいるのにちょうどよくなるのだ。
ちなみにぽんとシリカの朝の戯れの間、夫さんは蚊帳の外である。

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